海外の保健食品、特殊医薬用途食品が海南楽城医療特区において輸入・使用可能に

作者:TJCC日付:2024-10-24 13:45:51

中国の“医療特区”－博鰲楽城国際医療観光先行区では、中国国内でまだ使用開始・販売の認可を得ていない輸入薬品・医療器械であっても、すでに数百種類が日本、アメリカ、ヨーロッパ等の国・地域から輸入または患者に使用されている状況にあります。また、新薬・医療機器が中国での登録審査を受ける際に区内に設置されたリアルワールドデータ(RWD)研究機構が活用され、加えて中国国内の先進病院も数十軒進出済であるなど、治療・健康管理・リハビリテーション・美容医療、アンチエイジング等、顧客に向けて身体検査、健康増進等を提供する医療産業チェーンが形成されています。

 

この状況下、海南自由貿易港の改革開放レベルをさらに向上させ、関連優遇政策の実施をさらに推進していくことを目指して、2024年6月28日の第14期全国人民代表大会常務委員会第10回会議にて、海南自由貿易港における『中華人民共和国食品安全法』の関連規定の一時的調整・適用が国務院より許可され、その適用期限を施行日（2024年10月1日）から5年間とすることが決定されました。この決定による主な調整内容と従来の法律規定内容について、下表のとおりまとめました。

 

【海南自由貿易港における「中華人民共和国食品安全法」関連規定目録の一時調整】

No.

法律規定

調整内容

1

第76条：保健食品原料目録以外の原料を使用する保健食品及び初めて輸入する保健食品は国務院の食品安全管理監督部門で登録しなければならない。ただし、初めて輸入する保健食品のうち、ビタミン、ミネラル等の栄養物質補充に該当する場合、国務院食品安全監督管理部門へ届け出をすべきであり、その他の保健食品は省、自自区、直轄市人民政府の食品安全監督管理部門へ届け出をすべきである。

 

海南博鰲楽城国際医療観光先行区内で指定された医療機構は、すでに海外で合法的に使用・販売されている適切な量の保健食品について、海南省人民政府の許認可を経ることで、臨時的に輸入し、且つ当該医療機構内で使用できる。

2

第80条：特殊医学用途のために配合された食品は国務院食品安全監督管理部門で登録しなければならない。登録時、製品の配合、生産工程、ラベル、取扱説明書および製品の安全性、栄養充足性と特殊医学用途臨床効果を示す材料を提出しなければならない。

 

海南博鰲楽城国際医療観光先行区内の指定医療機構は、臨床で至急必要な、すでに海外で合法的に使用・販売されている少なく珍しい病気用の特殊医学用途配合食品、少量の特定全栄養特殊医学用途配合食品について、海南省人民政府の許認可を経て、臨時的に輸入し、且つ当該医療機構内で使用できる。

 

 

上記調整内容の具体的な管理方法については、海南省人民政府から今後制定された後、国務院食品安全監督管理部門の同意を得て実施されることになりますが、今回の決定により、保健食品及び特殊医学用途配合食品についても、薬品・医療器械と同じように、博鰲楽城国際医療観光先行区内の医療機構で臨時輸入・使用ができるようになることが示されました。関連食品を開発・生産する企業にとっては、中国という大きな市場へ参入するための関連許認可取得前に基地として利用することができますし、医療機構の口コミによる宣伝が狙える絶好のチャンスにもなりますので、ぜひ活用を検討ください。