【中国雑感コラム】14日間の自宅隔離体験記
作者:TJCC日付:2020-03-30 09:45:00
中国雑感コラム「14日間の自宅隔離体験記」
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、春節後中国に戻るのを延期に延期をして3月6日を予定していたが、日に日に中国入国管理が厳しくなってきたため、急遽3月1日に同僚と戻って来た。事前に会社から社区(マンション)に隔離の有無を問い合わせてもらった時は「隔離措置はない」という話であったが、実際は違っていた。マンションの入口で戻ってきた旨を伝えて登記を行った際に「14日間の自宅隔離」を告げられて驚いたが、受け入れるしかなく覚悟を決めた。その日から朝夕の体温測定と14日間の生活を記録することにした。
3月2日以降、部屋から1歩も出ず、必要なものはマンションの物業が運んでくれるようになった。そして仕事は、電話、メール、Web会議による在宅勤務が始まった。同僚のマンションでは家のドアに外から“隔離中の貼り紙”が貼られてドアが封印されたようだが、筆者の所はただ貼り紙がされただけであった。毎日社区から電話と微信で「問題ないか?」「体温は?」の問い合わせがあり、またある時は部屋を訪ねてきてマスク、消毒液、体温計を置いて行ってくれるという計らいもあった。夕食は昔よく行っていた日本料理店のオーナーが同じマンションに住んでおり、毎日夕方6時頃届けてくれることになり大変助かった。
3月7日(土)に広州日本領事館から広東省政府に申し入れが行われ(広東省が出した政策は3/5以降に入国した場合に14日間の隔離を行うという内容であり、それ以前の入国は隔離すべきでない旨)、隔離解除の連絡を受けるも、翌日には東莞市から3月5日より前の入国者にも14日間隔離を行う旨の通知が出され、結局隔離は継続されることとなった。但しドアの“貼り紙”は剥がされており、それだけでも精神的には穏やかになれた。3月12日にWHOが“パンデミック”を宣言したが、今や感染の中心はヨーロッパであり、中国も逆流入を防ぐための水際対策に力を入れている状況である。
3月15日社区の医者から「隔離解除証明」を受け取り、晴れて自由の身となった。2週間の隔離生活を通して、運動不足にはなったが、ダイエット-2㎏を達成、ふんだんな読書時間がもてたため、隔離生活を苦なく過ごすことができた。しかし世界的にいつになったら終息するのか見通せない情況が続いている。(NT)
TJCCコンサルティンググループ 田辺尚裕