【中国雑感コラム】日本最高裁 夫婦別姓認めず
作者:TJCC日付:2021-07-26 10:12:00
中国雑感コラム「日本最高裁 夫婦別姓認めず」
日本の最高裁大法廷は先月、「夫婦別姓を認めない民法と戸籍法」の規定が憲法に違反するかどうかが争われた特別抗告審で、両規定を「合憲」とする決定を出した。
合憲判断は2015年に続き2回目。東京都内に住む事実婚の男女3組が、別姓での婚姻届を受理するよう家庭裁判所に求めていたが、受理しない判断が確定した。3組は2018年、婚姻届の夫婦どちらかの姓を選択する欄で夫婦両方にチェックを入れて提出。自治体が受理しなかったため1組が東京家裁に、2組が東京家裁立川支部に申し立てていた。「同姓規定は別姓を望む夫婦を法律婚から排除しており、憲法の保障する法の下の平等や婚姻の自由に反する」と主張したが、両家裁は同姓規定を合憲として申し立てを却下し、東京高裁も支持していた。
最高裁大法廷は2015年の判決で、夫婦同姓規定について「家族の呼称として、姓を1つに定めることには合理性がある。女性側が不利益を受けることが多いとしても、通称使用の広がりで緩和される」などとして合憲と判断していたが、今回再び夫婦別姓は認められない結果となった。
「選択的夫婦別姓制度」導入の制度改正案は政府内では90年代にまとまっていたが、自民党内の反対意見に阻まれ、未だに議論が進まないのが現状のようだ。その理由として「夫婦別姓で家族の絆が弱まる」「通称として旧姓を認めれば足りるではないか」といった意見が多く、時代錯誤も甚だしく、先ごろ発表された“ジェンダーギャップ指数”で、日本が世界156カ国中120位ということも理解に難くないところである。下記の世界主要国と比べると日本の異常な状況が見て取れる。(NT)
夫婦の姓に関する各国の制度 | |
英国,米国 |
姓の変更は基本的に自由 |
中国 |
別姓が原則、同姓、結合姓も可 |
豪州,フランス |
同姓、別姓、結合姓いずれも可 |
ドイツ |
同姓が原則、別姓、結合姓も可 |
イタリア |
夫は自分の姓、妻は自分の姓、または結合姓 |
韓国 |
別姓が原則 |
※結合姓:自分の姓を相手の姓の前or後に置いたもの
TJCCコンサルティンググループ 田辺尚裕